There & Back / Jeff Beck
POPS
ジェフ・ベックの1980年の作品だ。
画像は、ジャケットの見た目が分かるように、アマゾンから引っ張ってきている。
アマゾンではCDや輸入物で扱っているかも知れないが、私は日本版のLPで所有している。
この一作前が"Wired"というアルバムで、4年のブランクを経てようやく出したということで、「帰ってきたよ」という意味のタイトルをつけたものらしい。
グループワーク全体でジェフ・ベック・サウンドを表現
ギタープレイを聴きたかったというよりは、シンセにヤン・ハマーが参加しているので買ったのだと思う。
曲の構成が変わっているものが多い。
楽器の編成も、ギターのはかは、キーボードで複数の音色を吹き込んでいる以外は、ドラム・ベース程度と、驚くほど少ない。
ジャズと同じと考えれば、納得が行く。
現実には存在しない世界を描いているかのような、スピリチュアルなサウンドだ。
このアルバムが特にそうなのか分からないが、作曲についてはジェフ自身が参加しているのは最後の曲だけで、しかも共作だ。
マイルス・デイヴィスも、自分では曲を書いていないアルバムもあるくらいだ。
プレイヤーとして創造性を発揮することに重きを置いているということだろう。
どこか遠い場所を想起させる音
70年代の音楽には、日本のフォークなどもそうだが、聴いていて雄大さや永遠を感じるような、気が遠くなるようなサウンドを響かせる作品が結構ある。
このアルバムは80年発表だから、70年代との境目で、まだ派手なサウンドへ変遷する前の端境期の音がしている。
今の時代、そういうものはあまりない。デジタル録音が不得意とするところだ。