コレルリの主題による変奏曲 作品42 / ラフマニノフ

Classical Music

ラフマニノフの手による器楽的な着想のピアノ変奏曲。
(一般に、変奏曲には大きく分けて主題が歌のものと器楽曲のものとがあるが、この曲は後者に当たる。)

私の所有するCDでは、ジャケット画像をご覧の通り(文字の部分が小さいので少し分かりにくいかも知れないが)この曲は一番目には表示されていない。

音のシャワーを浴びているよう

イタリアのバロックの作曲家でヴァイオリニストのコレルリがイベリア半島の古い舞曲「フォリア」を元にして書いた変奏曲「ラ・フォリア」の旋律を元にしている。
つまり、旋律そのものは、コレルリの創作というわけではないが、そこは大した問題ではない。

低音に動きの少ない(それはフォリアの形式がそうだからなのだが)、シンプルなメロディを使用し、大胆に想像力を働かせて書かれている。
ピアノでしか鳴らせないような高速なパッセージを多用している。

メロディすら自由に壊している曲が含まれるので、メロディを追うのではなく、音のシャワーを浴びるようなつもりで聴くと、非常に楽しめる。
聴いた限りでは、和声を大分壊してしまっている曲も含まれているようだ。

印象派の曲のような高次倍音は響いておらず、和声としてはきらびやかさは抑えられているようだが(ロシア的とも言えるか)、特定の旋律が鳴っている感じもないので、やはり歌を聴くつもりで聴くのではなく、音の塊としてとらえた方が良いだろう。

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