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POPS

トレヴァー・ラビンが主導していた時期のイエス’94年の作品。

イエスは、世界的なプログレッシブ・ロック・バンドとして有名だが、出身はイギリスだ。

余談だが、そういう意味では、ロッド・スチュワートとイメージが重なる。
(ロッド・スチュワートはアメリカン・ロックのイメージがあるが、イギリス人だ。)

歴代のイエスのアルバムの中での位置づけ

イエスは、’69年のデビュー以来、現在に至るまで、主要メンバーは大体決まってはいるものの、小刻みにメンバーの集合・離散を繰り返している。

80年代においては、初頭から一旦活動を休止するが、その後、ギタリストにトレヴァー・ラビンを迎え、音楽的に活を入れられ、アルバム”90125″で復活する。
そこから数えてトレヴァー・ラビンが音楽的な核となるイエスのアルバムとしての3枚目が、本作だ。

デジタル移行期のCD作品の一つの形

音からは、全体的に、制作が難航したかのような印象を受ける。

サウンド面では、’94年という年が世界的にアナログ機材がデジタル機材に取って代わられて間もない時期であるためか、粗さと不安定さがある。
中だるみしているアメリカン・ロックすれすれの曲なども含まれるのだが、全体としては骨太で退屈しない曲調を貫いて、アルバムの最後まで聴かせてくれる。

機材が移行期にあっても、音には独特のダイナミックさがあり、そこはイエスの本質として変わらない。

トレヴァー・ラビンはプレイに特徴のあるギタリストというわけではないのだが、常にギターを曲全体の中での役割を果たすように位置づけているようで、パートとしては目立ってはいるものの、決して全体のアンサンブルを壊さない。

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