Mellow Waves / Cornelius

POPS

コーネリアスの、この記事を書いている時点で出来立ての11年振りの新作だ。

ファンとしては、非常に待ち遠しかった。

ジャケットは、小山田氏の叔父に芸大の先生をしていた方がいて、その方の作品をそのまま使用しているとのことだ。

歌ものへの回帰、とは書きたくないが

“Point”以降インストが増えていたが、今回は歌ものに存在感がある。

小山田圭吾氏は、他に楽曲提供としてのプロデュースや、アニメ『攻殻機動隊』シリーズのBGMやNHK『デザインあ』の音楽の制作、META FIVEへの参加など、前作”Sensuous”リリース後も活発に活動している。

その中で自身が歌うということだけをしていなかったので、それをやってみたということだそうだ。
作詞に関しては、自身のほかに2名のクリエイターに依頼している。

圧巻のライブ

新木場STUDIO COASTでのライブを見てきたのだが、ノンストップの演奏(MCなし。曲の切れ目では、短い時間止まる場合と、止まらない場合とがある。)を映像・照明設備とシンクロさせた演出で、完璧のひとことだった。
曲間の長さなど、すべてあらかじめ計算されているようだった。

個々のパートのフレージングについては、あの複雑な曲たちをどう演奏するのだろう、というのは興味があったが、さすがに単純化するところはしているようだった。

メンバー別に演奏振りを見た感じでは、ドラムのあらきゆうこさんのプレイが、機械のように正確なのが印象的だった。
感情を廃しているわけではないのだが、イメージとしては、刺身を造る板前のようだった。仕事に一分の隙もない。

同会場は、音響設備が従来のPAとは思えない音質の高さを誇っており、満足度大だった。
だが、PAだから音が悪いだろう、というのが、そもそも思い込みなのかも知れない。

恐らくは、CDが売れない時代に突入して、各アーティストによるライブ全体の本数が増え、ライブを開催しさえすれば来場者が満足するだろうという驕りが通用しなくなってきていて、設備が改善されているのだろう。

比較的後発の音楽ライブ用スペースほど、その点敏感だと思われる。
考えてみれば、音楽を良い音で聴けることは、当たり前のことてあり、ライブだから音が割れるのは仕方がない、という前提で諦めなければいけないのは、変なのだが、ようやくその辺が省みられるようになってきている。

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