管弦楽組曲 / バッハ

Classical Music

バッハの手による、室内オーケストラ使用の代表作。

バッハの時代には、楽曲の形式が曲の性格と切っても切れない関係にあった(つまり、形式の名前から、中身がある程度想像できる)ので、この曲は、「組曲」(=踊りの伴奏のための音楽)だ、と言えばそれまでになる。

題名からすると、オーケストラによる組曲(踊りの伴奏として豪華)、という理解で間違ってはいないが、狭義の「組曲」としては、形式が決まっている。

バロック時代の組曲と、管弦楽組曲

バロック時代に組曲というと、厳格には、アルマンド・クーラント・サラバンド・ジーグの4曲が入っているひとかたまりの曲のことを指す。要は、宮廷で踊るための音楽だ。
この4曲以外にも舞曲の形式はあり、何分の何拍子かということや、曲調や、テンポの早い遅いによって、名前が違うだけ、というくらいの分かり方でよい、だろう。

そう考えると、ディスコと余り変わらない気もするが。
速いテンポの曲ばかりかかると、踊っていて疲れてくるから、合間にチークタイムがはさまれるのと似たようなものだろう。

何の楽器の演奏をバックにして踊るかということで、それが管弦楽(オーケストラ)なら管弦楽組曲となる。
バロック時代に管弦楽組曲というと、始めの曲にフランス式序曲という形式の曲が必ず来て、その後に舞曲の小曲が続く管弦楽による組曲を指す。

『G線上のアリア』が2回も?

本作は、同じバッハ作のブランデンブルク協奏曲のように、作風としては明るく、比較的聴きやすい。
一般に、組曲というと、直感的に聴けるものも結構ある、という印象は確かにある。踊るための音楽だからなのだろうが。

全部で4曲の組曲から成り、第3組曲の中に、かの『G線上のアリア』が含まれる。
聞き返してみて驚いたのだが、第3組曲には、G線上のアリアの旋律を含んだ曲が、最後の曲でも登場する。締めに使われているのだ。
私は、(指揮者や演奏家による演奏の違いを聴き比べて楽しむ)いわゆるクラシックファンではないのだが、クラシックファンの間では、このことは有名なんだろうか。

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