ようこそ実力至上主義の教室へ

学園もの

学園ものライトノベルのアニメ化作品。2017年7月~9月放映。

下克上を核とする学園ドラマ

主人公・綾小路清隆が入学した高校は、国が設立した、卒業生の将来を確約する進学校で、その名も『東京都高度育成高等学校』という。

学生個人に、学園内のものは「何でも買える」その学生を生活態度・学業成績などを総合的に評価したポイントが与えられる、という徹底した実力主義が敷かれている。

毎月、クラスごとにもポイントが、クラスに与えられる課題に対する総合的な解決力など、あらゆる面から評価の上、与えられる。
(学生に対する場合・クラスに対する場合共に、ポイント評価の基準は明らかにされてはいない。)

入学時のクラス分けも、入試の評価に従ってなされている。上位から順にA~Dの4クラスに分けられており、3年間を通してクラス替えはない。

Dクラスに入れられた主人公が、周囲との係わり合いの中、Aクラスに上がることに協力することになり、クラスぐるみで困難に立ち向かっていく姿を描いている。

テーマは「実力」あるいは「平等」とは何か、ということだが

作品を通して「実力」「平等」というキーワードがあるが、アニメ版では(恐らく原作ほどには)そこに触れてはいない。それよりも、予想を裏切るストーリー展開が楽しめる作りとなっている。

ひねくれた人物設定に王道のストーリー

男子生徒が主人公の学園ものというと、登場人物に美人ヒロインがいて、生徒会があって、主人公を取り巻く人々が困難を乗り越えて行ったり、思春期の日常の中で成長したり、という構図がある。
この作品はこれら王道の設定を踏まえた上で、もう一段上を目指している。

ライトノベルが原作のアニメは、設定やせりふ回しがオリジナルアニメよりも複雑で、そこが楽しめる。アニメ企画としては、この点が売りにもなっているように思う。

本作の場合、人物設定の特徴として、ある人物に表の顔と裏の顔があったりと、視聴者の予測を裏切る要素がふんだんに盛り込まれていて、見ていて飽きさせない。

主人公はシニカルで、クラス内では目立たない存在だが、自らの信条から、学業・肉体的素養すべての面で本来の実力を偽って隠している。
クラスに与えられた課題を解決する際に、この力を発揮するが、自身は目立たないように策略をめぐらせる、という徹底ぶりだ。

原作者はライトノベルの市場ではヒットメーカーだということらしいが、うなづけるものがある。