ブレンパワード
サンライズ制作、富野由悠季監督の、1998年放映のロボットアニメ。
先月、AbemaTVの『なつかしアニメ』枠で全編視聴した。
映像の方は、無料で視聴できるもので主役メカがサムネイルに映っているものがなかったので、主題歌が流れるものを充てた。
それで、ついでに触れておくが、
富野作品のオープニング曲は、内容とリンクしているかどうか疑問
↑別に非難しているわけではない。念のため。
富野作品の主題歌がきちんとストーリーに寄り添っているかということを考えてみる。
Zガンダムの初めの方の回で採用されていた歌は、ばっちり基準を満たしていて、印象に残っている。
ガンダムZZも、アニメじゃないアニメじゃないほんとのことさ、とくるので、はまっている方に入れてよいかと思う。
イデオンのエンディングは素晴らしいが、詞を書いたのが監督本人なので、さもありなんという感じだ。
あと、キングゲイナーのオープニングは、まあ大丈夫だ。
これら以外は、おおむね外れている。
ブレンパワードのオープニングは、内容にあまり関係ない。いのまたむつみ氏デザインによる女性キャラが魅力的であることに触発されたラブソングになっているだけみたい。冒頭は少し、ストーリーの初めの方の場面とリンクしているもようだが。
(エンディングの方は大正解)
なんでこういうことが起こるのかだが、富野作品は、内容が一筋縄では行かないので、歌にするに当たって詞がストレートに書きにくいのだろう。
また、商業アニメでは、中身を見てもらうために、オープニングでとっつきやすくしなければならないという宿命がある。
タイトルは雰囲気優先なのか、という細かい話
↑くどいようだが、内容を非難しているのではない。
原作タイトルの英語表記は”BRAINPOWERD”となっている。
本記事のURLには、一応、これを元に、小文字で”brainpowerd”として含めている。
だが、本来は”brainpowered”が正しいはずだ(末尾が-edとなる)。
現時点での富野監督の最新作『Gのレコンギスタ』も、『Gのレコンキスタ』とするのが正しい。「レコンギスタ」という単語はない。
21世紀を先取り?富野監督の功績
70年代辺りは、ロボットアニメにおいては、単純な勧善懲悪の気風を反映した作品が多く、作中では、命がけの戦いが繰り広げられる中、人死にも多く出ていた。
そんな中、富野作品のZガンダムで、初めてだと思うのだが、敵側の人間が味方に移ったり、敵側に一見正義すれすれの信念があったり、という具合に、主人公の属する集団は無条件に正義の味方である、という構図を崩してしまった。
Zガンダム制作の背景として、大人の儲けのためにガンダムを作らせられるのを終わらせようとした、ということがある。これは、監督がそう言っていた。
ひねくれたストーリーにしたのだ。
これが結果として、SFアニメに新しい価値観を提示することにつながった。天才がひねくれたことをすると、名作が出来上がる。
Zガンダムを境に、後続のロボットアニメやSFアニメだけでなく、それらに影響を受けた特撮作品に至るまで、すべてこの影響を受けている。
人死には何人か、数えてみよう
ブレンパワードでは、主要キャラで命を落とすのは何人いるか、前節の内容を踏まえて見てみると、面白いだろう。
後続のアニメへの影響
「抗体」という概念が出てくるが、サンライズの『ベターマン』がこの影響を受けている。