ガッチャマンクラウズインサイト

SF

タツノコプロ入魂のオリジナルアニメ、かつ問題作。
2015年7月から9月に放送された。

テーマは「空気」、だがその前に作品の概要から

本題からはそれるが、よくIT用語の「クラウド」を英語で”crowd”(群集)と書く間違いがある。
正しくは”cloud”だ。
本作の公式のネーミング中の当該の単語の表記は”crowd”となっているが、多分間違いだろう。
ストーリーが、ネット社会の功罪をテーマにしているからだ。

ガッチャマンシリーズ自体は、往年のタツノコプロの代表作だが、この新シリーズでは、同じ名前のキャラクター・設定名(「総裁X」「ベルクカッツェ」など)が出てきても、実質的に翻案されて、別物となっている。
昔のガッチャマンを知らなくても、全く問題なく楽しめる。

ガッチャマンは地球を守る、というところは前シリーズと共通している。

ガッチャマンのメンバーは、前シリーズでは科学によって戦闘用の装備を施す(ちなみに、正確には、「ガッチャマン」とは科学忍者隊のリーダーの称号らしい)。
対して、本作では、生まれつき超人的な能力を初めから持っていて、ある人物によってそれを引き出されるという形をとっている。

地球外生命体の脅威から地球を守るために存在している。
だが、ややこしいようだが、本作では、その要素は脇に置かれている。

本題

本編は、『ガッチャマンクラウズ』の続編なのだが、二つの話は世界の設定が同じで、エピソードとしては独立している。

日本社会に蔓延する、「ほかの人や世間が良いと言っているものは良い」という目に見えないプレッシャーについて、その功罪を問う話となっている。

これが高じると、戦争にまで発展する、という恐ろしい指摘も、作中の人物により、なされている。

アニメで取り扱うテーマとしては、珍しい。
ゲームなどを題材にして、背後に現代社会の問題を感じさせるものは多いが。

見ておいて損はないだろう。何せ、こんな作品にはめったにお目にかかれないのだから。