WILD&MOODY / 高橋幸宏
YMO散開直後にリリースされた高橋幸宏氏のソロ作だ。
発売当初、幸宏氏のラジオ番組で毎週のように曲がオンエアされ、食い入るように聴いたのを覚えている。
この時期の作品では、シンセサイザーの使用率が、かなり高い。
機種はカシオのもののようだ。メタリックな質感を出すのに一役買っている。
20万円台のシンセのはずなので、単体ではそれ程高級感のある音は出ていないはずなのだが(どちらかと言うとチープ)、生楽器や第一級のドラムサウンドと組み合わさることで、刺激的な効果が演出されている。
何度も聴き返している作品なのだが、楽器や作曲・アレンジのクレジットが今回気になった。
幸宏氏はドラマーなので、たとえばサックスやギターは演奏していない、というのはすぐに分かるのだが、曲そのものに精神的なレベルで、共作しているアーティストが影響を与えているのではないかということに、思い当たった。
“Walking to the beat”においてはIva Davisが、曲にハードな質感をもたらしていると思う(洋楽にしかない要素だ)。確かオーストラリアのアーティストだったと思う。
“Stranger things have happened”では、ベースが小節の頭で遅れてずれてしまっているのを、そのまま残してある、と思われる箇所がある。
細野さんではないかと思ってクレジットで確認してみたら、やはりそうだった。
面白さ優先ということだろう。
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