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Music is rotted one note / Squarepusher

ドラムン・ベース界の奇才、スクエアプッシャーの、98年のアルバムだ。
フルアルバムとしては、3作目に当たるということだ。
このアルバムの前に、もっと出しているかと思っていたのだが、ミニアルバムもあるので、なるほどというところだ。

このアルバムの直前までは、生音は補助で、機械を通した音や演奏が中心だった。
それが、生演奏(自作自演)中心(全部か?)へと、逆転している。

音そのもので言えば、大きな変貌を遂げている。
肌触りが、シンセやサンプラーを駆使したこれ以前の作品とは、全く違ったものになっている。

音楽は、ドラムン・ベース(小刻みに震えるビートそのものを聴かせる音楽)には違いないのだが、このアーティストのルーツであるジャズらしさが、より前面に浮き上がっている。
とは言っても、各曲にテーマはあるものの、構成は非常に直感的なので、純粋なジャズとは言いがたいが。
やはり、ドラムン・ベースと言った方が正しい。作り手の意識下にそれがあるので、コンピュータによる細分化されたビートが入っていなくても、ドラムン・ベースだ。

絵画にたとえると、抽象画と同じだ。聴いていて、具体的なイメージを沸き起こさせない。
カオスを、カオスのまま表現している。
疲れているときに聴くのには、ぴったりの音楽だ。

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