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『シドニアの騎士』

ロボットが登場するが、ロボットの描写が中心ではない、近未来の世の中のシミュレーションとしての色彩の強いSFアニメ作品だ。

原作の漫画が、講談社の月刊アフタヌーンで連載されている。
ということは、どうせ原作ストーリーの最後までは映像化されないだろう……と、腰が引けるところもあるが、視聴していると、そういう気分を吹き飛ばす圧巻の演出だ。

平たく言うと、戦闘シーンの迫力がすごい。梅雨の時期の憂鬱を、中和してくれる。

太陽系を、謎の生命体奇居子(ガウナ)に滅ぼされた人類が、都市が丸ごと入った宇宙船に乗って、ガウナと戦う話だ。
シドニアというのは、舞台となるその恒星間宇宙船の名前だ。

恒星間宇宙船とは、太陽系以外の他の恒星系へ移住するために(恒星は重力が大きく、惑星をその周りに従えていて、その全体を恒星系というんだったか)、大勢の人が乗り込む、ノアの箱舟のような宇宙船のことだったと思う。

シドニアのデザインは、特に対ガウナ用の兵器開発を担っている「東亜重工」という企業の工場がそうだが、鉄工所をモチーフにしているようだ。
作品の世界全体を絶望的な雰囲気が覆っているのだか、灰色を基調にした配色がぴったりだ。

宇宙船やロボットの操縦席の、計器類の表示がすべて日本語になっているところなどから、設定が初めから日本人が中心の世界と割り切っている感じがある。

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