Gのレコンギスタ放映開始 BS11にて
「レコンギスタ」と言っているが、意味からすると「レコンキスタ」が正しいはずだ。
(718~1492年に行われたキリスト教の「再征服活動」のこと。
SFアニメにおいて、世界が変革されていく様子を表現するなら、これが適しているはず。)
だが、ひょっとしたら、もうひとひねりしてこうなっているのかも知れない。
富野監督のガンダム4作目に当たる。
TV放映は、BS11以外では、去年の秋から始まっていたらしい。
私が情報を得たのはBS11での放映開始だったので、出遅れてしまった感が否めない。
監督の作品はOVA『リーンの翼』以来のお目見えだ。
その前がTVシリーズ『オーバーマン キングゲイナー』で、冒険活劇の傑作だった。
戦闘用および作業用ロボットであるモビルスーツには、この世界では「世界標準」という規格が採用されている。
単体で運用するというよりも、ライフルやビームサーベルなどの武器を、まるでパーツを組み合わせるようにパイロットに持たせている。
これらの物語設定に、今の時代を取り入れている感じが現れている。
ロボットだからかっこよくて特別、というわけではないという扱いだ。
道具以上のものではないということだが、ロボットに対するこのとらえ方は『機動戦士ガンダム』で初めて示されてから一貫している。
そこへ、さらに、パソコンやTVのように、簡単に使えるように標準の規格を与え、周辺機器を組み合わせて使うような感覚を加えることにより、時代にピントを合わせている。
また、面白いのは、今のところ(とは言っても、私が見たのは第1話と第3話だけだが)「ガンダム」という言葉は劇中では誰も使わず、「G系」と言っている点だ。
陰湿ないじめを連想させるような描写もあり、監督がいろいろ考えた跡がある。
監督の作品は密度が非常に高く、注意して物語を追っていかないと、面白さが半減してしまう。
ひとつひとつのせりふが、背景を感じさせるようになっている。この感じは、アニメでは、監督の手によるもののほかにはない。
こころして、見よう。
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